サステナビリティ

ヘンケルは、サステナビリティ分野のパイオニアとして、持続可能な発展に向けて新しいソリューションを推進し、責任ある事業を展開し、経済的成功を目指しています。この取り組みは、バリューチェーン全体にわたる当社のあらゆる活動を対象としています。

2030年以降の意欲的なサステナビリティフレームワーク

ヘンケルのサステナビリティ戦略には、当社の「意義ある成長」に対する取り組みが直接反映されています。ステークホルダーにさらなる価値を生み出し、責任ある事業を展開し、サステナビリティにおいてけん引役を果たすことを約束します。

当社のサステナビリティ戦略は、具体的な施策やプロジェクトを通じて意欲的目標を実現することを重視しています。2030+ Sustainability Ambition Framework (2030年以降の意欲的なサステナビリティフレームワーク)では、「地球環境の再生」「地域コミュニティの繁栄」「信頼されるパートナー」という3つの側面で長期的な目標を設定し、さらなる前進を目指しています。

地球環境の再生 

私たちは、ビジネスモデルの環境側面の変革に向けて取り組んでいます。この意欲的目標を達成すべく、資源効率に優れたネットゼロの未来に向けて、プロセス、製品、原材料の使用を変革していきます。気候変動の緩和策、機能的な循環型経済、自然や生物多様性の保護に重点を置いています。

気候 

ネットゼロの事業を目指して、事業と原材料の脱炭素化を実現します。

  • ヘンケルは、バリューチェーンに沿った広範囲の排出削減目標に密接に関連するネットゼロ計画を定めています。
  • ネットゼロ達成を目指し、ヘンケルでは以下の目標を定めています。なお、これらの目標は科学的根拠に基づくイニシアチブ(SBTi)の認証を取得しています。 
    • スコープ1およびスコープ2の温室効果ガス(GHG)絶対排出量を2030年までに42%削減する(基準年:2021年) 
    • スコープ3のGHG絶対排出量を2030年までに30%削減する(基準年:2021年)
    • スコープ1、2、3のGHG絶対排出量を2045年までに90%削減する(基準年:2021年)
  • ヘンケルは、自社施設での直接排出量を削減するため、引き続きエネルギー効率の向上を図り、残るエネルギーニーズに対する再生可能エネルギーの使用割合を増やしていきます。ヘンケルの調達電力に占める再生可能エネルギーの割合はすでに全世界で89%に達しています。

循環型経済

製品、パッケージ、技術を通じて循環型社会の実現に貢献します。

パッケージに関する意欲的目標と達成目標

  • 2025年までにヘンケルのパッケージの原材料は100%リサイクルまたは再利用可能なデザインとなります*。
  • 2025年までに石油に由来するバージンプラスチックの一般消費財への使用を50%削減することを目指します。再生プラスチック使用比率を30%超まで増やし、バージンプラスチックの使用量を削減することにより達成できる見込みです。
  • ヘンケルは、すべてのパッケージ廃棄物が適切に処分・リサイクルされるよう継続的に支援することにより、環境への廃棄を防ぎたいと考えています。その達成のため、廃棄物の回収やリサイクル活動を支援しています。リサイクルプロセスを推進すべく、インフラ改良やコンシューマー向け情報をサポートする画期的なソリューションやテクノロジーに投資しています。

  

2023年末時点で、ヘンケルのパッケージの87%はリサイクルまたは再利用可能なデザインになっています*。コンシューマー向け製品のパッケージにおける再生プラスチックの使用比率は、世界全体で19%となっています。

イニシアチブとパートナーシップ

パッケージングのサステナビリティを推進するには、バリューチェーン全体における企業各社が一体となって取り組むことが不可欠です。そのため、ヘンケルはさまざまな企業とのパートナーシップや産業横断的なイニシアチブに携わっています。例えば次のようなものが挙げられます。

  • ヘンケルは、ステークホルダーを集めてプラスチックの未来について再考し、循環型経済に弾みをつける取り組みをしている、エレン・マッカーサー財団主導のニュープラスチックエコノミー(New Plastics Economy)イニシアチブに参加しています。
  • ヘンケルは、2020年にザ・コンシューマー・グッズ・フォーラム(CGF)から創設されたプラスチックごみに関する実行連合で、消費財業界におけるプラスチックパッケージの開発と処理に対するより循環的なアプローチを開発するというゴールデンデザインルールに基づき、他社との協力を進めています。
  • さらにヘンケルは、プラスチック汚染に関する国連条約制定を求める「世界プラスチック条約のための企業連合」を積極的に支援しています。プラスチックの持続可能な利用、再生、リサイクルに関する世界的な合意形成を目指しており、170を超える他のグローバル企業と連携しながら、複数のステークホルダーとの交渉段階に入っています。

自然

森林、土壌、水を重点に生物多様性を保護、復元し、責任ある資源管理を行います。

  • 森林を伐採せずに、持続可能な方法で原材料を調達します。生態学的に価値の高い原生林や二次森林の伐採を防ぐことを目標としています。
  • パーム油関連では、2025年までに、パーム油需要の100%を、責任ある調達先として認定されているまたは外部認証を受けている油で賄うことを目指しています。2023年度は、主にヘンケルが使用するために調達したパーム油、パーム核油およびパーム誘導体のうち、96%がRSPOのマスバランスモデルに基づく認証を受けています。 
  • さらに、2025年までに製品1トン当たりの水消費量を35%削減する目標を設定しています。2023年末までに24%の削減を達成しました。

地域コミュニティの繁栄

私たちは、人々の生活向上を支援するためにできる限りの努力をします。私たちの社会的責任は、エクイティ(公平性)を促進し、ダイバーシティ(多様性)を強化し、人権を尊重することにあります。社員の生涯学習の機会と魅力的で健全な職場環境を提供します。世界各地で社会の発展や教育を受ける機会を提唱し、緊急時には支援を提供します。

公平性

ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの強化、人権の尊重、人々の生活の向上を実現します。

  • グローバル化した世界では、多様な人材と、オープンで価値を認め合う企業文化が、重要な成功要因であると確信しています。
  • 当社の目標は、全レベルで継続的に女性比率を高めることで、2025年までに全管理レベルで男女平等を達成するという意欲的な目標を設定しています。管理職に占める女性の割合は、2023年に39.5%になりました。
  • さらに私たちは、小規模農家の生活を改善したいと考えています。2013年以降、開発団体のSolidaridadと協力して、ガーナ、ホンジュラス、インドネシア、コロンビア、メキシコ、ニカラグア、ナイジェリアでそれぞれ取り組みを行っています。

教育

生涯学習や教育をサポートし、人々がサステナビリティのために行動を起こせるようにします。

  • 当社は社員のサステナビリティへの取り組みをさらに促進すべく、総合的エンゲージメントプログラム「Sustainability at Heart」の一環として従来の研修内容を拡充しました。
  • さらに地域コミュニティの教育プログラムやボランティア活動をさらに広げていきます。2022年には、この取り組みの一環として、2030年までに3,000万人を支援するという主要な目標をすでに達成しています(基準年の2010年比)。2010年以降、3,000万人以上の人々を支援してきました。

ウェルビーイング(幸福)

健康とウェルビーイング(幸福)を促進し、社会の発展を後押しします。

  • 社員の健康を促進することが、迅速に対応し高いパフォーマンスを上げる組織作りにつながります。この目標に向けて、世界的に統一された健康安全基準に準拠し、健康促進および予防プログラムを提供しています。サステナビリティ戦略の重要な目標として、世界各地の社員90%以上の支援を目指しています。
  • ゼロ災害という長期目標にも引き続き注力し、2025年末までに、労働安全環境を2010年比で60%向上することを目指しています。2023年には、社員の100万労働時間あたり労働災害0.7件を達成しました。これは基準年の2010年と比較して42%の改善です。

信頼されるパートナー

ヘンケルは、価値重視の企業文化と科学技術の専門知識を活用して、常に誠実に業績を高めています。安全で最高水準の製品と技術ソリューションをお客様に提供します。サステナビリティをポートフォリオとビジネスプロセスに組み込み、透明性のある報告をステークホルダーに提供します。

性能

ヘンケルの事業成功の基盤として、最高水準の製品性能と化学的安全性を確実に提供します。

  • 私たちの目標は、すべての新製品でサステナビリティに貢献することです。
  • 2030年までに、事業活動によって生じる環境フットプリントに対して創出する価値を3倍にすることを目標としています。

透明性

サステナビリティを事業のガバナンスに組み込み、報告、情報開示、エンゲージメントの透明性を高めます。

  • 2025年に向けたパーム油に関する目標の1つは、パーム(核)油の完全な透明性とトレーサビリティです。2023年には、サプライヤーと連携してパームベースの共同サプライチェーンを可視化することにより、搾油工場のトレーサビリティを89%に、農園のトレーサビリティを52%に引き上げました。
  • 私たちは、製品ポートフォリオの変革が持続可能な形で進んでいるかどうかを数値で把握するよう努めています。ヘンケルの接着技術事業部門は、製品ポートフォリオのサステナビリティ評価を行った2023年の監査結果を公表しました。コンシューマーブランド事業部門も、コンシューマーグッズのポートフォリオを評価するため同様のプロセスを構築しているところです。 
  • なお、ヘンケルは2023年のESG格付け(SustainalyticsやEcoVadisなどのスコア)で極めて高い評価を受けており、調査対象企業の上位1%に入っています。

協力

パートナーと協力してサステナビリティに対する影響力を高め、サプライチェーンで責任あるビジネス慣行につなげます。

  • パートナーとともに100%責任ある調達を実現することが、私たちの継続的な目標です。パッケージ、原材料、委託製造業者など仕入れ量のおよそ97%に、責任ある調達プロセスが適用されています。
  • ヘンケルは、化学産業のイニシアチブである「Together for Sustainability(TfS:サステナビリティのための協力)」の設立メンバーとして、製品カーボンフットプリント(PCF)ガイドラインの策定に貢献してきました。このガイドラインは、サプライヤーと企業がカーボンフットプリントの算定を共同で行うための指針を示しており、化学産業全体の脱炭素化に寄与するものです。2023年にTfSは、上流のPCFデータを共有できるITプラットフォームを試行的に立ち上げました。

*成分または残留物がリサイクル可能性に影響を与える、あるいはリサイクルストリームを汚染する可能性のある製品を除く。

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