ヘンケルが展開する2つの事業部門「アドヒーシブ テクノロジーズ(接着技術)」「ヘンケル コンシューマーブランドは。
ジャパンビューティー イノベーションハブ
シュワルツコフと資生堂プロフェッショナルが長年培ってきたヘアカラーのイノベーションとトレンド、プレミアムヘアとスカルプケア、育毛ケア、スタイリング、パーマソリューションなどの専門知識を活かし、アジアにおけるヘアプロフェッショナル事業の拠点となることを目指します。
それ故に、ヘンケルは、2024 年「意義ある成長」アジェンダのサステナビリティビジョンに従い、ネットゼロへのロードマップを示し、バリューチェーン全体の排出削減目標を大幅に拡大しました。ネットゼロの達成に向けて、ヘンケルは以下の目標を定めました。
数度の気温上昇は大したことではないと思われるかもしれませんが、地球の未来には大きな違いをもたらします。地球温暖化を2050年までに摂氏1.5度未満に抑え、気候変動に関する国際連合のパリ協定のコミットメントを達成するためには、2050年までに世界全体の二酸化炭素排出量をネットゼロにする必要があります。この意欲的な目標を達成するには、各国政府や企業が、イノベーションを推進してこの課題に取り組まなければなりません。
気候変動は、現代人が世界的に直面する深刻な課題の1つです。ヘンケルは、パリ気候協定が掲げる1.5度目標の実現に取り組んでいます。私たちは気候変動とその影響を、当社のサステナビリティ活動やリスク管理の一環としてとらえながら、バリューチェーン全体で対策を進めています。こうした対策は、2つの観点で私たちにとって重要な意味を持ちます。1つ目は、世界の温室効果ガスバランスに対して当社の事業活動が与えている潜在的影響、そして2つ目は、当社の事業活動に対して気候変動が与えている潜在的影響です。当社のサステナビリティ戦略では、直接的・間接的な温室効果ガス(GHG)排出量だけでなく、それが気候に与える潜在的影響にも配慮しています。
2011年、当社は2030年までの効率性の向上に重点を置いた「ファクター3」目標を策定しました。2019年には、スコープ1、スコープ2およびスコープ3の排出量について、科学的根拠に基づく目標イニシアチブ(SBTi)基準に沿って次の段階の気候目標を追加しました。また、ネットゼロパスウェイの策定にも取り組んでおり、「Business Ambition for 1.5℃」キャンペーンに正式に署名しました。2024年、ヘンケルはこれまでの排出削減目標を拡大し、ネットゼロへのロードマップを策定しました。ネットゼロとは、人間の活動に起因するすべての温室効果ガス排出量と、一定期間内に地球の大気から除去される温室効果ガスの量が同量となり、相殺される状態を指します。つまり、ネットゼロとは、均衡している状態です。
当社のバリューチェーンに沿った温室効果ガス(GHG)削減のための短期目標およびネットゼロ目標は、SBTiの認証を取得しており、SBTiが提供する企業ネットゼロ基準を満たしています。私たちは、2030年までに、基準年の2021年比でスコープ1および2の温室効果ガス(GHG)絶対排出量を42%削減1し、スコープ3のGHG絶対排出量を30%削減する目標を掲げています。また、2045年までに、基準年の2021年比でスコープ1、2および3のGHG絶対排出量を90%削減する目標も定めています1。さらに、SBTiの企業ネットゼロ基準に沿って、残余排出量の相殺手法に永久的な炭素除去および炭素貯蔵方法を取り入れる予定です。
気候移行計画は、私たちの気候変動緩和の取り組みにおける重要な要素です。計画では、当社の短期目標、ネットゼロ目標、およびこれらの目標の達成に向けた排出削減活動に加えて、ネットゼロ移行の実施に向けた当社のガバナンスと具体的な実現方法をまとめています。
1目標には、土地利用に関連する生物由来の排出量およびバイオエネルギー原料からの除去量が含まれます。
ネットゼロを着実に進めるには、ビジネスモデルの総合的な変革を行うと同時に、ビジネスパートナー、お客様、そして社会全体と連携する必要があります。このため、ヘンケルはバリューチェーンの内外においてパートナーと協働する主要な活動分野を特定し、排出削減目標を達成するとともに、ネットゼロの未来への移行を支援します。
私たちは意欲的なネットゼロ目標の達成に向けて、スコープ1および2全体の排出量の95%以上、およびスコープ3全体の排出量の90%を削減することにより、絶対排出量を90%以上削減することを目指しています。SBTiのガイドラインに従い、当社全体の排出量の最大10%を占める残余排出量の相殺には、永久的な炭素除去および炭素貯蔵を活用する予定です。
当社の事業活動に直接起因する温室効果ガス排出量を削減することは、私たちの気候変動緩和活動にとって重要な焦点です。こうした排出削減方法については、当社が直接的な影響力を持つためです。各施策はエネルギーに関連しており、具体的には、 エネルギーの効率化、再生可能エネルギーの開発、再生可能エネルギーおよび再生可能燃料の調達などが挙げられます。私たちは、製造、倉庫、オフィス、事業用車両、研究開発センターにおけるエネルギー消費量を削減するテクノロジーやプロセスに投資しています。可能な場合には、再生可能エネルギーを一から直接生成するため、当社の施設に太陽光パネルやバイオマスボイラーを設置します。
バリューチェーンの上流と下流における排出量は、当社全体の排出量の圧倒的大部分を占めています。調達した原材料や包装資材に由来する上流の排出量は、当社がネットゼロ変革を遂行するうえで特に重要性が高いものです。これに関しては、サプライヤーとのコラボレーション(協働)が極めて重要な役割を果たします。私たちはバリューチェーンの上流におけるCO2排出量の評価を次の段階に引き上げるため、全世界のサプライヤーを対象に「クライメートコネクト」という包括的なエンゲージメントプログラムを開始しました。このプログラムは、排出データの収集、共同で策定した削減活動、サプライヤーの継続的なスキルアップを通じて、バリューチェーンに沿った脱炭素化を推進することを目的としています。
ロジスティクス、流通、使用済み製品の廃棄といった下流の活動も、私たちが脱炭素化を目指す重要な排出源です。当社では、エコデザイン、低排出の原材料、炭素効率性の高いロジスティクスという重要な削減カテゴリーに活動を分類しています。
当社の製品は、数多くの家庭や業務用プロセスで日々使用されています。製品の使用段階で発生する排出量は当社のスコープ3の排出量の大部分を占めていますが、これは私たちが直接影響を与えられるものではないため、ネットゼロ目標設定からは除外されています。それでも、コンシューマーの皆様により責任ある行動を促し、当社としての責任を果たしたいと考えています。これには2つの視点からアプローチしています。1つ目は、製品特性を最適化するためのプロダクト・イノベーション。2つ目は、エネルギー効率化および製品の持続可能な利用と廃棄の促進を目的とした、お客様やコンシューマーの皆様とのエンゲージメントです。私たちは、排出量の削減に貢献する、もしくは、使い方次第でお客様の製品使用時に発生する排出量を削減できる製品やテクノロジーを目指しています。また、コンシューマーの皆様にエネルギー効率の高い形で製品をご使用いただけるよう、スキルアップを目的としたエンゲージメントプログラムを作成し、行動変化を促しています。
ヘンケルのネットゼロ変革は、単に排出量を削減するだけにとどまりません。平等かつ公正な移行の促進により社会的ネットゼロへの貢献を目指すと同時に、排出量の削減が困難な分野に対する責任も盛り込んでいます。当社はSBTiの企業ネットゼロ基準に沿って、このアプローチを「Beyond Value Chain Mitigation(バリューチェーンを超えた緩和:BVCM)」として定義し、SBTiの各ガイドラインを順守しています。BVCMは、GHG排出量の回避または削減、大気中のGHGの除去・貯蔵など、企業のバリューチェーン外における緩和に向けた活動や投資を対象とするものです。