2020/06/23  デュッセルドルフ、ドイツ

2020年株主総会

ヘンケル、意義ある成長への戦略的重点項目を再確認

  • 前年と同水準の配当金を提案:優先株(一株)あたり1.85ユーロ
  • 監査委員会および株主委員会の新メンバーを選任
  • 両委員会の新メンバーの選任に関して候補者4名を提案
  • 新型コロナ危機にもかかわらず堅調な業績
  • 未来に向けた明確な成長計画
  • 気候保護とプラスチックごみの発生回避に向けた野心的な企業目標
  • 多様性と人種差別に対するコミットメント

ヘンケル最高経営責任者のカーステン・クノーベルは、6月17日に開催された株主総会で、2019年度の最も重要な出来事を要約し、足元の新型コロナ危機による影響を説明、意義ある成長に向けて長期的な戦略的重点項目を再確認しました。さらにカーステン・クノーベルは、サステナビリティに関するヘンケルの意欲的な目標について説明し、多様性を受け入れ、人種差別を拒絶することの重要性を強調しました。

株主総会ではまず、前年と同水準の配当が株主に対して提案されました。監査委員会および株主委員会の新メンバーについて、4名の新メンバーが選任される予定となりました。また、新たな授権資本の創設に関する「予備的決議」も議題に取り上げられました。

前年と同水準の配当金を提案

カーステン・クノーベルは「ヘンケルにとって2019年は容易な年ではなく、一部の目標を達成することができませんでした。しかし多くの前向きな進展もありました。売上高は約1%増の200億ユーロ超となり、利益率は16%に達しました。フリーキャッシュフロー(純現金収支)はほぼ25億ユーロと、過去最高を更新しました。年末時点の負債は低水準に留まっています。当社は昨年、買収を通じて事業を強化しました。また、コストは十分に抑制できました」と振り返り、また、全世界で52,000人以上にのぼる社員に「2019年もヘンケルのために全力を尽くしてくれたことに心から感謝します」と感謝の言葉を述べました。

株主委員会および監査委員会のジモーネ・バジェル‐トラー委員長も、「皆さん全員が、この厳しい環境下における事業の成功に多大な貢献をしてくれました」と経営委員会、全社員、株主委員会、および監査委員会による前年度の優れたコミットメントに感謝を表しました。

株主総会では、前年と同水準の優先株(一株)あたり1.85ユーロおよび普通株(一株)あたり1.83ユーロの配当金の提案が行われました。カーステン・クノーベルは「当社は配当性向を引き上げ、前年を3.3ポイント上回る34.2%としました。これは、30~40%という当社の目標レンジとも一致しています」と強調しました。

監査委員会および株主委員会の新メンバーを選任

ジモーネ・バジェル‐トラー委員長は、監査委員会および株主委員会の新メンバーを選任する一環として、株主に候補者を紹介しました。

ジモーネ・メンネ(Simone Menne)およびルッツ・ブンネンベルク(Lutz Bunnenberg)は、監査委員会の新メンバーに選任される予定です。この両名は、監査委員会を離任したテオ・ジーガート教授(博士)(Prof. Dr. Theo Siegert)とカスパー・フォン・ブラウン博士(Dr. Kaspar von Braun)の後任となります。アレグザンダー・ビルケン(Alexander Birken)およびクリシュトフ・クナイプ博士(Dr. Christoph Kneip)は、シュテファン・ハーメルマン(Stefan Hamelmann)およびヴェルナー・ヴェニング(Werner Wenning)の後任として、新たに株主委員会のメンバーとなる予定です。監査委員会および株主委員会のその他すべてのメンバーは、再任が提案されました。

ジモーネ・バジェル‐トラー委員長は「我々が提案した候補者が新たに任命されることで、委員会を活性化し、多様性を高め、重要な専門領域を広げることができます。両委員会に素晴らしい新メンバーを提案できることを嬉しく思います」と述べました。また、両委員会の離任者全員がヘンケルのために行ってきた多大なコミットメントについて、感謝の意を表しました。

未来に向けた成長計画

2019年度の報告を行った後、カーステン・クノーベルは、ヘンケルの今後数年間の成長計画を発表しました。カーステン・クノーベルは「この10年はヘンケルにとって実りの多いものになるはずです。これはヘンケルの今後の針路を決める10年間です。お客様や消費者のために、優れたイノベーションを開発していきます。この10年間で、事業の競争力を一段と高め、持続可能な開発をさらに進めていきます。あらゆる分野でデジタル化を積極的に推進し、効率とスピードを一段と高めていきます。また、企業文化をこれまで以上に発展させていく考えです。これが、意義ある成長に向けた計画であり、未来に向けた意欲的な目標です。私はこれらを実現することをお約束します」と述べました。

ヘンケルは、そのための明確な戦略的枠組みを構築しています。その構成要素は、優れたポートフォリオ、特にイノベーション、サステナビリティ、デジタル化の領域における競争上の明確な強み、効率的なビジネスプロセス、新しいビジネスモデル、そして強力な企業文化です。

新型コロナ危機にもかかわらず堅調な業績

最後にカーステン・クノーベルは、新型コロナウイルスによる基本的な危機の現状に触れ、ヘンケルに対する影響について説明しました。「今年の経済環境は根本的に変化しました。多くの業種で需要が低下し、多くの国で失業率が急激に上昇しています。このことは、当社の事業にも影響を及ぼしています」第1四半期には、ヘンケルは堅調な売上高を記録しました。第2四半期の事業動向については詳細に述べなかったものの、8月初めに上期の数値を発表することを明らかにしました。しかしながら、第2四半期には多くの国で企業が営業停止を余儀なくされたことから、第2四半期の業績が厳しいものになることは明白だと述べました。

現時点では、2020年の動向を現実的に評価することは不可能です。カーステン・クノーベルは「したがって、当社は4月に発表した業績予想を撤回しました。可能になり次第、新たな業績予想を公表する予定です。しかし、確かなことが一つあります。我々は危機の進展に応じて絶えず適応していく必要があります。新型コロナ危機によって、我々の視点は長期的に変化していくでしょう。世界をこれまでとは違った目で見るようになり、行動も変わります。我々はマーケットの変動に柔軟かつ迅速に対応し、自分たちの手で積極的に変化を形作り、新天地を切り開いていきます。当社の基盤は健全です。足元の危機においてもそれは変わりません。今後、その基盤の上に業績を積み上げていきます。我々は有利な立場にあります。危機を乗り越え、これまで以上に力強く躍進していきます」と述べました。

サステナビリティのための野心的な目標

ジモーネ・バジェル‐トラー委員長とカーステン・クノーベルは、それぞれのスピーチの中で、サステナブルな行動の重要性を強調しました。

バジェル‐トラー委員長は「我々は環境、経済的成功、社会への貢献に関係するすべての活動において、常にサステナブルな行動を取るよう努めています。これは強制されて行うことでも、マーケティングの道具でもありません。当社にとって、サステナブルな行動とは、企業文化とバリューの一部なのです。これは何十年にも及ぶヘンケルの伝統であり、我々はそれを誇りとしています」と述べました。

カーステン・クノーベルは「サステナブル経営はヘンケルが持つ大きな強みの一つであり、長い間、この点においてトップを走ってきました。ヘンケルの先駆的な役割は、格付けやランキングによって常に裏付けられています。だからこそ我々は、競争上の明確な強みとして、サステナビリティを一段と強化することを目指しています。そのため、次なるマイルストーンと具体的な目標を定めています。例えば気候保護やプラスチックごみの発生回避に関してこれを行っています」と説明しました。

ヘンケルは、2040年までにクライメート・ポジティブ(環境に前向き)な企業になるために努力しています。一般消費者向け事業では、2025年までにすべての包装材をリサイクル可能または再利用可能な素材にする方針です。

多様性と人種差別に対するコミットメント

またカーステン・クノーベルは、スピーチの中で、ヘンケルが成功を収めるためには多様性が重要であることを強調し、強い言葉で人種差別に反対しました。「社員の出身国は100カ国以上にのぼり、ありとあらゆる文化的バックグラウンドを持っています。この多様性が必要です。ヘンケルの成功を後押ししてくれるのは、この多様性なのです。だからこそ、私たちはあらゆる側面で意識的に多様性を推進しています。ヘンケルにとって重要なのは一人ひとりの人間です。それぞれ独自の経験、知識、そして貢献する力を備えた人たちです。ジェンダーや年齢、肌の色、国籍、性的指向または政治的傾向ではありません。これは言うまでもないことです。それでもなお、差別や人種差別は到底受け入れられないことを繰り返し強調する必要があります。ヘンケルは多様性を受け入れ、重視しています。そしてこの多様性は、ヘンケルの企業文化を形作るものでもあるのです」と述べています。


※本プレスリリースは、2020年6月17日にドイツ・ヘンケル本社が発表したプレスリリースの日本語訳版です。本プレスリリースは英語が原本であり、その内容・解釈については英文プレスリリースが優先します。


本プレスリリースにおける将来予測は、弊社経営陣の知見と現在の予測に基づくものです。将来予測は、英文中 ”expect“ “intend ” “ plan ” “ predict” “assume” “believe” “estimate” “anticipate” “forecast”等の語や同様の表現を用いて特徴づけられています。こうしたステートメントは、将来予測の実現を確約するものでは決してありません。将来のヘンケル社および関連企業の業績は、多くのリスクならびに不確実な要因によって、本稿の将来予測とは異なる場合があります。こうした要因の多くは、経済状況や競合の活動、その他市場要因など、弊社のコントロールを超えるものや前もって正確に予測することができないものです。ヘンケルは、これら将来予測をアップデートする意向はなく、またそれに関するいかなる義務を負うものでもありませんので、ご了承ください。

本資料は、適用可能ではあるが、明確に定義されていない財務報告枠組みの中で作成されており、(GAAP以外の)代替的業績指標である、またはそのような可能性のある補足的な財務指標が含まれています。これらの補足的な財務指標は、単独で解釈すべきではなく、また連結決算報告書に適用される財務報告枠組みに従って表示されたヘンケルの純資産、財務状況または経営成績の代替的な指標と見なすべきではありません。類似の名称の代替的業績指標を報告または記載している他の企業は、かかる指標を、ヘンケルとは異なる方法で計算している可能性があります。

本資料は情報提供のみを目的としており、投資助言を提供するものではなく、有価証券の売却の申し出または購入の勧誘を構成するものではありません。