ヘンケルが展開する2つの事業部門「アドヒーシブ テクノロジーズ(接着技術)」「ヘンケル コンシューマーブランドは。
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2020/11/16 デュッセルドルフ、ドイツ
ヘンケルの2020年度第3四半期の既存事業売上高は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによる厳しい経済環境が続くなか、3.9%増と堅調な伸びを示しました。グループの名目売上高は約50億ユーロで、1.5%減少しました。ヘンケルは10月の初めに第3四半期の売上高の速報値を発表し、2020年度の新たな見通しを示しました。
ヘンケル最高経営責任者のカーステン・クノーベルは、「新型コロナウイルスによる世界的な危機の影響が、引き続き市場環境を左右しています。そうした状況にもかかわらず、ヘンケルはこの第3四半期に好調な業績を実現し、3つの事業部門のすべてがこれに貢献しました。このことは、当社が各種産業向け事業と一般消費者向け事業の顧客を対象とした有力なブランドと革新的なテクノロジーからなる強固で多角的なポートフォリオを有しているという証拠です。さらに、マーケティングとイノベーションとデジタル化への追加的な投資が利益を生みつつあります。これに加えて、当社は第3四半期にデジタル売上高を大幅に拡大し、売上高全体に占める割合を15%超にまで増やしました」と述べています。
「第3四半期の好調な業績は、COVID-19のパンデミックによる悪影響がとくに深刻だった第2四半期からの反動も一つの要因です。しかし何よりも、この前例のない、誰にとっても困難な状況のなか、ヘンケルの長きにわたる成功の源である多大な献身を変わらず示し続けてくれている当社の優秀なグローバルチームのおかげです」
第3四半期のヘンケルは、厳しい市場環境のなかで好調な業績を上げました。接着技術事業部門は、第2四半期と比べてすべての事業領域で需要が回復し、事業部門全体の既存事業売上高は前年同期を上回りました。ビューティーケア事業部門では、ヘアサロン向け事業も第2四半期から回復しました。しかし、既存事業売上高は前年同期比でわずかに減少しました。一方で、一般消費者向け事業の既存事業売上高は、前年同期から非常に力強い伸びを示しました。ランドリー&ホームケア事業部門は、洗濯用洗剤や家庭用洗浄剤の相変わらず力強い需要と第2四半期からの反動を背景に、既存事業売上高を大きく伸ばし、引き続き順調な業績を示しました。
カーステン・クノーベルはさらに、「当社はコロナ危機のなか、今年の3月に導入した意義ある成長に向けた戦略的枠組みを精力的に追求し続けながら、変化に柔軟かつ迅速に適応しました。新たな年間見通しで、当社は年度末までの業績予測を示しました。第4四半期も引き続きパンデミックの悪影響はあると思われますが、第2四半期に見られたような大規模なロックダウンがヘンケルにとって重要な中核地域で再び実施されることは想定していません。ヘンケルは意義ある成長に戦略的な重点を置きつつ、危機を乗り越えてこれまで以上に力強く躍進できると、私たちは確信しています」と述べました。
2020年第3四半期のグループ全体の名目売上高は、1.5%減少して4,999百万ユーロとなりました。既存事業売上高(為替変動と買収・売却の影響の調整後)は3.9%増でした。グループ全体の既存事業売上高の増加は販売量の増加によるものであり、価格と販売量の動向は事業部によってばらつきがありました。買収・売却による売上高への影響はプラス0.1%、為替変動による売上高への影響はマイナス5.5%でした。
2020年の最初の9カ月間の名目売上高は、4.5%減少して約14,485百万ユーロとなりました。既存事業売上高は、主に販売量の減少を理由として、2.1%減少しました。本年度の最初の9カ月間における価格変動は若干の下落に留まりました。とりわけ産業向け事業とヘアサロン向け事業がCOVID-19のパンデミックの悪影響を受けたことが、ヘンケルの業績、とくに上半期の業績に響きました。第2四半期に需要が最も大きく落ち込みましたが、第3四半期に業績が大幅に回復しました。
第3四半期の新興成長市場の既存事業売上高は8.8%増、成熟市場の既存事業売上高は0.6%増となりました。西欧の既存事業売上高は前年同期比1.2%減となったのに対し、東欧の売上高は10.4%増、またアフリカ・中東地域の2020年第3四半期の既存事業売上高は13.9%増を達成しました。北米地域の既存事業売上高は2.9%増加し、中南米地域でも13.8%増加しました。アジア太平洋地域の既存事業売上高も1.2%増加しました。
2020年の最初の9カ月間の新興成長市場の既存事業売上高は1.3%増、成熟市場の売上高は4.4%減となりました。
2020年第3四半期の接着技術事業部門の名目売上高は、4.8%減少し、2,280百万ユーロとなりました。既存事業売上高(為替変動と買収・売却の影響の調整後)は、1.3%増加しました。販売量と価格がともに上昇しました。為替変動による売上高への影響はマイナス5.5%、買収・売却による売上高への影響はマイナス0.6%でした。
2020年の最初の9カ月間の接着技術事業部門の名目売上高は、9.7%減少し、6,433百万ユーロとなりました。既存事業売上高は、販売量の減少を理由に6.8%減となりました。新型コロナウイルスのパンデミックが第1四半期と、とくに第2四半期の業績に深刻な影響を及ぼしました。第3四半期も、鉱工業と自動車の生産縮小の影響を受けました。しかし、第2四半期と比べて、すべての事業領域で需要の回復が見られました。
第3四半期の接着技術事業部門の業績は、個々の事業領域によってばらつきが見られました。オートモーティブ&メタル事業本部の既存事業売上高は、引き続き前年同期の水準を下回りました。上半期に売上高が大きく落ち込みましたが、第3四半期には大幅に回復し、3カ月間にわたって改善しました。エレクトロニクス&インダストリアル事業本部は、とくにインダストリアル事業で新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受け、売上高が減少しました。一方、エレクトロニクス事業は売上増を記録しました。パッケージング&コンシューマーグッズ事業本部の既存事業売上高は、コンシューマーグッズ事業の力強い成長とパッケージング事業の非常に力強い成長に支えられて、順調な伸びを達成しました。クラフトマン、コンストラクション&プロフェッショナル事業本部の売上高は、主にクラフトマン事業とプロフェッショナル事業の2桁増とコンストラクション事業の非常に力強い成長に牽引されて、非常に堅調な伸びを達成しました。業績が落ち込んだ第2四半期からの反動もその要因の一つです。
地域別にみると、新興成長市場における接着技術事業部門の既存事業売上高は非常に力強い伸びを示しました。中南米と東欧の売上高は2桁増となり、アフリカ・中東でも大幅な伸びを示しました。この伸びに貢献したのは、主にパッケージング&コンシューマーグッズ事業本部とクラフトマン、コンストラクション&プロフェッショナル事業本部です。アジア(日本を除く)の売上高は全体として横ばいでした。中国は非常に力強い伸びを示しましたが、地域内の他の国々の売上減を相殺するまでにはいたりませんでした。
成熟市場の既存事業売上高は、全体として前年同期の水準を下回りました。西欧は、オートモーティブ&メタル事業本部とエレクトロニクス&インダストリアル事業本部の業績落ち込みの影響をとくに被りましたが、クラフトマン、コンストラクション&プロフェッショナル事業本部の大幅な売上増がこの落ち込みを部分的に相殺しました。北米も、オートモーティブ&メタル事業本部とエレクトロニクス&インダストリアル事業本部の需要減の影響を受けました。一方、パッケージング&コンシューマーグッズ事業本部は既存事業売上高を堅調に伸ばしました。
2020年第3四半期のビューティーケア事業部門の名目売上高は、3.0%増加して999百万ユーロとなりました。既存事業売上高(為替変動と買収・売却の影響の調整後)は4.3%増加しました。販売量と価格がともにこの伸びを牽引しました。為替変動による売上高への影響はマイナス3.3%、買収・売却による売上高への影響はプラス2.0%でした。
2020年の最初の9カ月間のビューティーケア事業部門の名目売上高は、前年同期比3.9%減の2,818百万ユーロとなりました。既存事業売上高は、販売量の減少を理由に4.2%減となりました。パンデミックにより第1四半期と、とくに第2四半期に、ヘアサロン向け事業の業績が落ち込みましたが、第3四半期に大幅に回復しました。一般消費者向け事業の売上高は、上半期に落ち込みましたが、第3四半期は非常に堅調でした。
第3四半期の一般消費者向け事業の既存事業売上高は非常に力強い伸びを示しました。第2四半期と同様、ボディケアカテゴリーが2桁増を記録しました。中でもダイアル(Dial)ブランドが、第2四半期の非常に堅調な業績を維持することができました。ヘアコスメティックスカテゴリーは、上半期に業績が落ち込みましたが、ヘアカラー事業の既存事業売上高の2桁増に牽引されて、売上高を非常に堅調に伸ばしました。ヘアケアも大幅に改善し、売上高を堅調に伸ばしました。一方、スタイリング事業は、新型コロナウイルスのパンデミックによる消費者の行動の変化を受けて、前年同期の水準を下回りました。
ヘアサロン向け事業は、第3四半期も引き続き新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受けましたが、上半期と比べて大幅に回復しました。西欧は前年同期の水準を上回り、中南米も非常に堅調でした。その他の地域も、既存事業売上高は減少したものの、上半期と比べて力強い業績改善が見られました。
一般消費者向け事業の非常に堅調な業績とヘアサロン向け事業の回復は、地域にも反映されています。新興成長市場は、第3四半期に既存事業売上高を堅調に伸ばしました。この業績は主に、東欧と中南米の大幅な売上増によるものです。アジア(日本を除く)も売上高を伸ばしました。一方、アフリカ・中東の売上高は減少しました。
成熟市場の既存事業売上高は非常に堅調でした。北米の売上高は、とくにボディケアカテゴリーの2桁成長を要因として、2桁増となりました。西欧の売上高も、一般消費者向け事業とヘアサロン向け事業の両方に牽引されて増加しました。一方、アジア太平洋の成熟市場の売上高は、とくにヘアサロン向け事業で減少しました。
2020年第3四半期のランドリー&ホームケア事業部門の名目売上高は、前年同期から0.7%増加し、1,693百万ユーロとなりました。既存事業売上高(為替変動と買収・売却の影響の調整後)は、7.7%増と大幅に増加しました。価格はわずかに下落したものの、販売量が大幅に増加したことが、この伸びの主な要因となりました。買収・売却による売上高への実質的な影響はなく、為替変動による売上高への影響はマイナス7.0%でした。
2020年の最初の9カ月間のランドリー&ホームケア事業部門の名目売上高は、2.7%増加して5,153百万ユーロとなりました。既存事業売上高は、販売量の増加に伴い、5.8%増と非常に力強い伸びを達成しました。第1および第2四半期に売上高を非常に堅調に伸ばした後、第3四半期も大幅な成長を記録しました。
第3四半期のホームケア事業の既存事業売上高は、第1および第2四半期と同様、2桁増を達成しました。この事業領域の堅調な業績は、主に、食器用洗剤、硬質表面クリーナー、トイレクリーナーのカテゴリーで2桁増を記録しているプリル(Pril)、ブレフ(Bref)、およびソーマット(Somat)ブランドファミリーの好成績によるものです。この傾向を支えているのは、パンデミックによる家庭用洗浄剤の需要増加と、当社のプロダクトイノベーションの成功です。
ランドリーケア事業は、洗濯用重質洗剤の非常に堅調な業績により、第3四半期に力強い伸びを記録しました。中核ブランドであるパーシル(Persil)が、とくにイノベーションへの取り組みが功を奏したことにより、大幅な伸びを達成しました。洗剤キャップ製品グループは2桁増となり、上半期の好業績を維持しました。北米ブランドのオール(all)も2桁増を達成しました。
第3四半期の新興成長市場の既存事業売上高は2桁増を達成し、アフリカ・中東、アジア(日本を除く)および中南米がとくに顕著な伸びを示しました。東欧も既存事業売上高の大幅な伸びを記録しました。
成熟市場の業績は全体として堅調でした。とくに北米のランドリー&ホームケア事業部門の既存事業売上高は非常に力強い伸びを達成しました。その要因の一つは、第2四半期からの反動です。西欧の売上高も好調で、アジア太平洋の成熟市場は2桁増となりました。
当四半期において、当グループの純資産および財務状況に2020年6月30日からの大きな変動はありませんでした。
新型コロナウイルス感染症が世界中に広がり、その影響や世界経済の先行きがきわめて不透明であったことから、ヘンケル(Henkel AG & Co. KGaA)の経営委員会は、2020年4月7日に、2019年の連結経営報告書に記載された2020年度の業績予想を撤回することを決定しました。
2020年10月9日、ヘンケル(Henkel AG & Co. KGaA)の経営委員会は、2020年の最初の9カ月間の実績と、第4四半期の業績に関する仮定に基づき、2020年度の新たな見通しを承認しました。
新型コロナウイルスのパンデミックの影響により、2020年度の世界経済はかなり悲観的な先行きが予想されます。新たな見通しは、ヘンケルにとって重要な分野の産業需要と事業活動は第4四半期には前年の水準を下回るものの大幅な悪化は見られないという前提に基づいています。このシナリオの決定要因となるのは、世界の感染率の今後の推移と、パンデミックをめぐる規制の動向です。ヘンケルは、この見通しを作成するにあたり、2020年第4四半期には、ヘンケルにとって重要な中核地域では大規模なロックダウンは行われないと考えています。
これらの要因を考慮して、2020年度のグループ全体の既存事業売上高は、1.0~2.0%の減少となると予想しています。
接着技術事業部門については、一般的な産業需要、とくに自動車産業の需要の激減による影響を大きく受けることが予想され、既存事業売上高は5.5~6.5%の範囲で減少する見込みです。ビューティーケア事業部門の既存事業売上高については、現時点で2.0~3.0%の減少を見込んでいます。一般消費者向け事業では成長が見込まれるものの、パンデミックによるヘアサロン向け事業の大幅な落ち込みが、この事業部門の年間業績に影響を及ぼすことが予想されます。ランドリー&ホームケア事業部門の既存事業売上高は、4.5~5.5%の増加を予想しています。
2019年および2020年の買収によるグループ全体の名目売上高への影響は1桁台前半のプラスになる見込みです。為替変動による売上高への影響は、1桁台前半から半ばのマイナスとなる見込みです。
グループ全体の調整後の売上高営業利益率(調整後のEBITマージン)は、13.0~13.5%に達する見込みです。各事業部門の調整後の売上高営業利益率(EBITマージン)は、接着技術事業部門は14.5~15.0%、ビューティーケア事業部門は10.0~10.5%、ランドリー&ホームケア事業部門は15.0~15.5%と予想しています。パンデミックによる産業向け事業とヘアサロン向け事業の売上高の減少が、調整後の売上高営業利益率(EBITマージン)に悪影響を及ぼします。年初の発表通り、ヘンケルはマーケティング、広告、デジタル化、およびITへの投資も拡大しています。
調整後の優先株(一株)あたり利益(EPS)は、為替変動の影響を除外して18.0~22.0%減となる見込みです。
さらに、2020年度について以下を予想しています。
※2020年11月10日にドイツ・ヘンケル本社が発表した業績レポートの日本語訳版です。本業績レポートは英語が原本であり、その内容・解釈については英文原本が優先します。
本資料には、今後ヘンケルに影響を及ぼしうる将来の事業動向、財務成績、その他の出来事または動向に関する記述が含まれており、これらは将来予測に関する記述に該当する可能性があります。将来予測は、英文中 ”expect“ “intend ” “ plan ” “ predict” “assume” “believe” “estimate” “anticipate” “forecast”等の語や同様の表現を用いて特徴づけられています。本プレスリリースにおける将来予測は、弊社経営陣の知見と現在の予測に基づくものです。こうしたステートメントは、将来予測の実現を確約するものでは決してありません。将来のヘンケル社および関連企業の業績は、多くのリスクならびに不確実な要因によって、本稿の将来予測とは異なる場合があります。こうした要因の多くは、経済状況や競合の活動、その他市場要因など、弊社のコントロールを超えるものや前もって正確に予測することができないものです。ヘンケルは、これら将来予測をアップデートする意向はなく、またそれに関するいかなる義務を負うものでもありませんので、ご了承ください。
本資料には、適用可能な財務報告枠組みの中で明確に定義されていない代替的業績指標であるか、またはそのような可能性のある補足的な財務指標が含まれています。ヘンケルの純資産、財務状況または経営成績を評価する際は、これらの補足的な財務指標を単独で解釈すべきではなく、また連結決算報告書に適用される財務報告枠組みに従って表示されたヘンケルの純資産、財務状況または経営成績の代替的な指標と見なすべきではありません。類似の名称の代替的業績指標を報告または記載している他の企業は、かかる指標を、ヘンケルとは異なる方法で計算している可能性があります。
本資料は情報提供のみを目的としており、投資助言を提供するものではなく、有価証券の売却の申し出または購入の勧誘を構成するものではありません。