ヘンケルが展開する2つの事業部門「アドヒーシブ テクノロジーズ(接着技術)」「ヘンケル コンシューマーブランドは。
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シュワルツコフと資生堂プロフェッショナルが長年培ってきたヘアカラーのイノベーションとトレンド、プレミアムヘアとスカルプケア、育毛ケア、スタイリング、パーマソリューションなどの専門知識を活かし、アジアにおけるヘアプロフェッショナル事業の拠点となることを目指します。
2023/08/18 デュッセルドルフ ドイツ
*一時所得、一時費用およびリストラ費用を除く
ヘンケルは、2023年上半期、厳しい経済環境が続く中、大幅な増収増益を達成しました。
ヘンケル最高経営責任者のカーステン・クノーベルは、「両事業部門において非常に力強い成長を実現しました。同時に、原材料価格や物流価格の高止まりの影響が続く中でも大幅な業績向上を達成できました。上半期の堅調な業績を受け、下半期の業績についても自信を持っていることから、通年の業績見通しを大幅に上方修正しました」と述べています。
クノーベルはさらに、「また2023年上半期、strategic growth agenda(戦略的成長アジェンダ)の実行を順調に進めることができました。コンシューマーブランド事業部門では、当初の予定を上回るペースで統合を推進しています。同時に、利益率と成長率の高いブランド・製品に注力するためポートフォリオのスリム化にも一貫して取り組んでいます。この取り組みは同事業部門の利益にも反映されています。アドヒーシブ テクノロジーズ(接着技術)事業部門では、世界的に業界をリードする基盤を拡大し、成長の勢いをさらに加速させるために、組織構造をよりお客様に密接したものに整えました。また、競争優位なポジションを一層強固なものにするため、サステナビリティとデジタル化に関する重要な取り組みも推進しています」と説明しました。
ヘンケルは、2023年度グループ既存事業売上高成長率を2.5~4.5%と見込んでいます(修正前1.0~3.0%)。接着技術事業部門の既存事業売上高成長率は2.0~4.0%(修正前1.0~3.0%)、コンシューマーブランド事業部門の既存事業売上成長率は3.0~5.0%(修正前1.0~3.0%)と予想しています。グループの調整後の売上高営業利益率(EBITマージン)は11.0~12.5%と見込んでいます(修正前10.0~12.0%)。事業部門別の調整後の売上高営業利益率(EBITマージン)は、接着技術事業部門については13.5~15.0%(修正前13.0~15.0%)、コンシューマーブランド事業部門について9.5~11.0%(修正前7.5~9.5%)と予想しています。調整後の優先株(一株)あたり利益(EPS)は、為替変動の影響を除外すると5~20%増と見込んでいます(修正前10%減~10%増)。
2023年上半期のグループ売上高は10,926百万ユーロで前年比0.1%増となりました(第2四半期5,316百万ユーロ、5.8%減)。既存事業売上高成長率は4.9%と大幅に上昇しました(第2四半期3.2%)。為替変動による売上高への影響はマイナス2.5%でした(第2四半期マイナス5.8%)。買収・売却による売上高への影響はマイナス2.2%でした(第2四半期マイナス3.2%)。
2023年上半期の売上高成長率は両事業部門が牽引しました。接着技術事業部門の既存事業売上高成長率は4.7%と、モビリティ&エレクトロニクス事業とクラフトマン、コンストラクション&プロフェッショナル事業に牽引され非常に堅調な伸びとなりました。コンシューマーブランド事業部門の既存事業売上高成長率は、ランドリー&ホームケア事業とヘアケア事業に牽引され5.7%と非常に高い伸びを記録しました。
2023年上半期における欧州地域の既存事業売上高成長率は2.4%を達成しました(第2四半期0.8%)。IMEA(インド・中東・アフリカ)地域の既存事業売上高成長率は25.7%でした(第2四半期23.6%)。北米地域の既存事業売上高成長率は3.8%でした(第2四半期0.9%)。中南米地域の既存事業売上高成長率は13.2%を記録しました(第2四半期9.4%)。一方、アジア太平洋地域の既存事業売上成長率は、中国の厳しい市場環境が続いたことなどから、マイナス2.7%となりました(第2四半期マイナス0.6%)。
2023年上半期の調整後営業利益(調整後EBIT)は前年同期の1,166百万ユーロから7.6%増の1,254百万ユーロでした。この増益の主な要因は、販売価格の改定、コンシューマーブランド事業部門への統合によるコスト削減、ポートフォリオの最適化措置などによるものです。
調整後売上高営業利益率(調整後EBITマージン)は80ベーシスポイント増の11.5%でした。
2023年上半期の優先株(一株)あたり調整後利益は増加し2.13ユーロとなりました。為替変動の影響を除外すると前年比14.4%増となります。
売上高に対する正味運転資本比率は、0.8パーセントポイント増の6.1%となりました(前年同期5.2%)。
フリーキャッシュフローは749百万ユーロとなり、2022年上半期(46百万ユーロ)を大きく上回りました。これは、本年度、営業活動によるキャッシュフローが特に増加したためです。
2023年6月30日時点での純財務状況はマイナス1,311百万ユーロとなりました(2022年12月31日時点ではマイナス1,267百万ユーロ)。
2023年4月20日、ヘンケルはロシアにおける事業の売却契約を現地投資会社のコンソーシアムと締結したと発表しました。ヘンケルは、昨年のロシアによるウクライナ侵攻を受け、ロシアからの事業撤退を発表していました。売却は完了し、売却額は合計で540億ルーブル(約600百万ユーロ)となりました。
2023年上半期における接着技術事業部門の名目売上高は0.1%増の5,475百万ユーロと安定的に推移しました(第2四半期5.4%減の2,683百万ユーロ)。既存事業売上高は4.7%増でした(第2四半期2.7%増)。この増加は二桁の割合の価格改定によるもので、重要なエンドマーケットの一部の需要が弱かったことから販売量は前年同期を下回りました。モビリティ&エレクトロニクス事業の既存事業売上高は10.9%増と二桁成長を達成しました(第2四半期9.2%増)。パッケージング&コンシューマーグッズ事業の既存事業売上高は1.5%減でした(第2四半期3.7%減)。クラフトマン、コンストラクション&プロフェッショナル事業の既存事業売上高は4.9%増でした(第2四半期2.9%増)。2023年上半期の調整後の営業利益は、前年同期の743百万ユーロから3.0%増の766百万ユーロとなりました。調整後の売上高営業利益率は前年同期の13.6%から14.0%へと上昇しました。この上昇は価格改定が特に寄与しました
2023年上半期におけるコンシューマーブランド事業部門の名目売上高は5,365百万ユーロでした(第2四半期2,594百万ユーロ)。名目売上高成長率は0.6%となりました(第2四半期マイナス5.7%)。既存事業売上高成長率は価格改定により5.7%増となりました(第2四半期4.5%増)。これとは対照的に、販売量はポートフォリオの最適化措置の実施などにより減少しました。ランドリー&ホームケア事業の既存事業売上高成長率は5.3%増と大幅な伸びを記録しました(第2四半期4.4%増)。2023年上半期におけるヘアケア事業の既存事業売上高は全体で7.9%増となりました(第2四半期6.1%増)。その他コンシューマー向け事業の売上高成長率は横ばいとなりました(0.0%、第2四半期マイナス1.4%)。調整後の営業利益は559百万ユーロと前年同期を15.9%上回りました。この増収は、直接原材料価格の高止まりに伴う価格改定や、コンシューマーブランド事業部門を新設しコンシューマー向け事業を統合したことによるコスト削減効果、ポートフォリオの最適化措置などが寄与しました。調整後の売上高営業利益率は10.4%に上昇しました。
ヘンケルは、2023年上半期もpurposeful growth agenda(意義ある成長アジェンダ)の戦略的優先事項を着実に推進し、全分野において順調に進展を遂げました。
2023年上半期、旧事業部門「ランドリー&ホームケア」と「ビューティーケア」をコンシューマーブランド事業部門に統合する計画を予定よりも速いペースで進め、そのプロセスにおいて、ヘンケルはさらなるコスト削減を達成しました。ヘンケルは、この統合計画によって2026年末までに(再投資前で)少なくとも400百万ユーロの正味コスト削減効果の実現を目指しています。また、コンシューマーブランド事業のポートフォリオの最適化にも注力しました。そのプロセスにおいて、コンシューマーブランド事業部門への統合の発表以降、合計で売上高5億ユーロ規模のブランドと事業を売却または廃止しました。また、ニュージーランドのランドリー&ホームケアブランド「アースワイズ」の買収によってポートフォリオを強化しました。昨年買収した、資生堂のアジア太平洋地域におけるプロフェッショナル ヘアビジネスの統合も順調に進んでおり、業績も良好です。
今年開始した、サプライチェーンの卓越性に重点を置いた統合における第2段階の初期施策を実施しました。具体的には、欧州地域ヘア&ボディケア事業の生産ネットワークの統合などが挙げられます。また、「1-1-1」の原則を第1弾の対象国に導入しました。これは、「コンシューマーに対して一つのヘンケル(one face to the customer)」の原則に基づき、最適化されたロジスティック機能によって商業的統合を推進する取り組みの一環となるものです。「1-1-1」の原則とは「ワンオーダー、ワンデリバリー、ワンインボイス(1つの注文、1回の配送、1通の請求書)」を意味します。
2023年上半期において、接着技術事業部門では最適化した組織構造を確立しました。これによって、お客様と市場との近接性を確保しながら、「モビリティ&エレクトロニクス」、「パッケージング&コンシューマーグッズ」、「クラフトマン、コンストラクション&プロフェッショナル」の3つの事業分野において、スケールメリットと能力面のメリットをより効率的に活用できるようになりました。
ヘンケルは、競争力をさらに強化するため、魅力的な事業分野における強力なイノベーションに注力しています。2023年上半期もそうしたイノベーションが、両事業部門の成長に寄与しました。例えば、接着技術事業部門では、電気自動車(EV)製造に使用される革新的なソリューションの既存事業売上高が前年比で70%増を記録しました。コンシューマーブランド事業部門では、Persil(パーシル)の既存事業売上高は、新たな独自の酵素テクノロジーを30カ国で展開させたことにより二桁成長を達成しました。
また、ヘンケルはサステナビリティ分野でもさらなる進展を遂げました。例えば、2030年までに生産拠点におけるCO2排出量と吸収量バランスをクライメートポジティブに転換することを目指す中において、2023年上半期はさらに10カ所の生産拠点をカーボンニュートラルな生産へと転換させました。また、デジタル化に関する重要な取り組みも継続的に推進しました。それらの取り組みでは、人工知能(AI)の活用がさらに重要な役割を果たすようになっています。
カーステン・クノーベルは「全体として、2023年上半期、厳しい経済環境が続く中においても堅調な業績を達成し、戦略的アジェンダの実行を着実に推進できたことを私たちは誇りに思っています。私たちはヘンケルの未来を成功裏に築いていけると強く確信しています。高い意欲を持ったチームとして一丸となって、強力な企業文化に基づき、明確な成長戦略を持って進めています。接着技術事業部門は、業界のグローバルリーダーであり、モビリティ、コネクティビティ、サステナビリティなど将来のトレンドをしっかりと見据えて革新的なソリューションを提供しています。そして、新設したコンシューマーブランド事業部門では、コンシューマー事業において収益力のある成長を推進するための基盤を構築しました」と述べています。
※2023年8月10日にドイツ・ヘンケル本社が発表した業績レポートの日本語訳版です。本業績レポートは英語が原本であり、その内容・解釈については英文原本が優先します。
本情報には、Henkel AG & Co. KGaA.の経営陣による現在の予測および仮定に基づく将来の見通しが含まれています。将来予測に関する記述とは、英文中expect, intend, plan, anticipate, believe, estimateなどの語句や同様の表現の使用を指しています。この情報に含まれる将来予測は、弊社経営陣による現時点での予測と予想に基づくものです。これらの記述は、その予測が結果的に正しくなることを保証するものではありません。Henkel AG & Co. KGaA.とその関連会社が実際に達成する将来の業績と結果は、多くのリスクと不確実性に左右されるため、将来予測に関する記述とは大きく異なる可能性があります。こうした要因の多くは、経済状況や競合の活動、その他市場要因など、弊社のコントロールを超えるものや事前に正確に予測することができないものです。ヘンケルは、これら将来予測をアップデートする意向はなく、またそれに関するいかなる義務を負うものでもありませんので、ご了承ください。
本資料には、適用される財務報告枠組みの中で明確に定義されておらず、代替的業績指標(非GAAP指標)であるかまたはその可能性のある補足的な財務指標が含まれています。これらの補足的な財務指標は、単独で解釈すべきではなく、また連結決算報告書に適用される財務報告枠組みに従って表示されたヘンケルの純資産、財務状況または経営成績の代替的な指標と見なすべきではありません。類似の名称の代替的業績指標を報告または記載している他の企業は、かかる指標を、ヘンケルとは異なる方法で計算している可能性があります。
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