2024/05/14  デュッセルドルフ ドイツ

今年度もきわめて順調な滑り出し

ヘンケル、第1四半期に既存事業の堅調な売上成長を達成

  • グループ売上高:約53億ユーロ、既存事業売上高は3.0%増
  • 両事業部門が既存事業売上高の増加を牽引
    • アドヒーシブ テクノロジーズ(接着技術)事業部門:既存事業売上高成長率は1.3%増
    • コンシューマーブランド事業部門:既存事業売上高成長率は5.2%増ときわめて好調
  • 米国のSeal for Life Industriesと中国の Vidal Sassoonの買収が予想よりも早く完了
  • 戦略的な成長アジェンダのさらなる推進
  • 5月3日に2024年度の見通しを大幅に上方修正
    • 既存事業売上高成長率:2.5~4.5%(修正前2.0~4.0%)
    • 調整後の売上高営業利益率:13.0~14.0%(修正前12.0~13.5%)
    • 調整後の優先株(一株)あたり利益(EPS):為替変動の影響調整後15~25%増(修正前5~20%増)

ヘンケルは、2024年第1四半期グループ売上高は約53億ユーロで、既存事業売上高は3.0%増と堅調な成長を達成しました。アドヒーシブ テクノロジーズ(接着技術)事業部門とコンシューマーブランド事業部門の両方の価格上昇がこの増収を牽引しました。グループ全体の販売量は依然としてコンシューマーブランド事業部門のポートフォリオ最適化措置による影響を受けているものの、2023年第4四半期と比べて引き続きさらなる改善が見られました。名目売上高は前年同期比で5.2%減少しましたが、これは主に、ロシアの事業売却と為替変動の悪影響によるものです。

ヘンケル最高経営責任者のカーステン・クノーベルは、「ヘンケルは今年もきわめて好調なスタートを切りました。さらに、米国のSeal for Life Industriesと中国の Vidal Sassoonの買収を予想よりも早く完了できたことによって、当社のビジネスはさらに強化されます」と述べています。クノーベルはさらに、「こうした状況をふまえて、当社は5月3日、2024年度の売上高と利益の見通しを大幅に上方修正しました。これは、当社が明確な戦略を持ち、それを厳密に遂行していること、当社が約束を果たしていること、そして、当社がさらなる利益を生む成長に向けて順調に前進していることを示しています」と述べています。

接着技術事業部門では、主にモビリティ&エレクトロニクス事業本部の既存事業売上高の堅調な成長により、第1四半期に既存事業売上高が増加しました。コンシューマーブランド事業部門では、全事業分野に支えられて既存事業売上高がきわめて力強い伸びを見せましたが、特に大きく貢献したのはヘア事業本部でした。

グループ売上実績

グループ全体では、2024年第1四半期名目売上高は5,317百万ユーロで、2023年第1四半期の5,609百万ユーロから5.2%減少しました。既存事業売上高成長率(為替変動と買収・売却の影響の調整後)は3.0%増でした。価格上昇がグループ全体の既存事業売上高の堅調な成長を牽引しました。買収と売却による売上高への影響は、マイナス4.3%でした。為替変動も、マイナス3.9%と売上高に悪影響を及ぼしました。

欧州地域の第1四半期の既存事業売上高成長率は2.5%増でした。IMEA(インド・中東・アフリカ)地域の既存事業売上高は26.9 %増加し、北米地域は3.0%減少しました。中南米地域の既存事業売上高は2.7%減少した一方、アジア太平洋地域では3.5%増を達成しました。

接着技術事業部門の売上実績

接着技術事業部門では、2024年第1四半期名目売上高は2,677百万ユーロで、前年同期の2,791百万ユーロから4.1%減少しました。既存事業売上高成長率(為替変動と買収・売却による影響の調整後)は、2023年第1四半期比で1.3%増でした。価格と販売量がともにプラスとなりました。為替変動により、売上高にマイナス3.8%の影響がありました。買収・売却も、マイナス1.7%の影響を及ぼしました。

接着技術事業部門では、第1四半期に既存事業売上高が増加しましたが、これは主に、3.7%増と堅調な伸びを達成したモビリティ&エレクトロニクス事業本部の貢献によるものです。この伸びを牽引したのは、オートモーティブ事業とエレクトロニクス事業でした。インダストリアル事業もプラス成長となりました。パッケージング&コンシューマーグッズ事業本部は、厳しい市場環境が続く中、販売量の増加に支えられ、既存事業売上高はほぼ横ばいの0.2%減でした。パッケージング事業は、需要改善の最初の兆候に支えられてプラス成長を達成しました。コンシューマーグッズ事業は、非常に堅調だった前年同期と比べてわずかに減少しました。クラフトマン、コンストラクション&プロフェッショナル事業本部の既存事業売上高は、前年同期比で0.3%増加しました。その主な牽引役は、大きな成長を達成したコンストラクション事業でした。ジェネラルマニュファクチャリング&メンテナンス事業は全体としてマイナス成長となりましたが、これは主に現在の厳しい市場環境によるものです。

地域別に見ると、接着技術事業部門の既存事業売上高の実績にはばらつきが見られました。欧州では、クラフトマン、コンストラクション&プロフェッショナル事業本部で既存事業売上高が増加したものの、全体の既存事業売上高は前年同期を下回りました。北米では、モビリティ&エレクトロニクス事業本部で既存事業売上高が増加しましたが、全体の売上高は前年同期を下回りました。IMEA地域では、全事業分野で2桁成長を達成し、既存事業売上高は2桁台の増加となりました。中南米では、全事業分野で既存事業売上高が減少しました。一方、アジア太平洋地域では、前年の厳しい状況からの市場環境安定に向けた最初の兆候に支えられて中国の実績が大幅に伸びたことが主な要因となり、売上高がきわめて力強い成長を示しました。

コンシューマーブランド事業部門の売上実績

コンシューマーブランド事業部門では、2024年第1四半期名目売上高が、前年同期比6.0%減の2,605百万ユーロとなりました。既存事業売上高成長率(為替変動と買収・売却による影響の調整後)は、5.2%増でした。同事業部門の価格は2023年第1四半期と比べて非常に堅調に推移しました。一方、販売量はわずかに減少しましたが、これは主に現在進められているポートフォリオ最適化措置の影響によるものです。為替変動により、売上高にマイナス4.0%の影響がありました。買収・売却も、売上高にマイナス7.2%の影響を及ぼしました。

ランドリー&ホームケア事業本部では、第1四半期の既存事業売上高成長率は4.6%増と非常に好調でした。ランドリー事業は、主にファブリック・ケアのカテゴリーにおける2桁増に牽引されて、力強い成長を示しました。ホームケア事業は、特にトイレット・ケアのカテゴリーにおける2桁台の売上増と食器用洗剤カテゴリーのきわめて堅調な伸びに支えられて、既存事業売上高の大幅な成長を達成しました。

ヘア事業本部では、既存事業売上高成長率が6.9%増と非常に好調でした。コンシューマー向け事業は、特にヘアスタイリングのカテゴリーによって牽引され、大幅な成長を達成しました。プロフェッショナル向け事業の既存事業売上高も非常に堅調です。

その他コンシューマー向け事業本部は、既存事業売上高が3.4%増と堅調な伸びを示しました。

地域別に見ると、コンシューマーブランド事業部門の今期の実績にはばらつきが見られました。欧州地域では、ヘア事業本部とランドリー&ホームケア事業本部に牽引されて、第1四半期の既存事業売上高は非常に堅調な伸びを示しました。北米地域では、ランドリー&ホームケア事業本部で実施されたポートフォリオ最適化措置を主な原因として、既存事業売上高成長率がマイナスとなりました。IMEA地域では、全事業分野で既存事業売上高が2桁成長を達成しました。中南米地域では、コンシューマー向けとプロフェッショナル向けの両事業がヘア事業本部の成長に貢献し、既存事業売上高が増加しました。アジア太平洋地域では、ランドリー&ホームケア事業本部の下支えにより、売上高は横ばいとなりました。 

当グループの純資産および財務状況

当グループの純資産および財務状況に2023年12月31日の状況から大きな変動はありませんでした。

今後の見通し

2024年3月4日に発表された2024年度の業績見通しが、5月3日に上方修正されました。

ヘンケルは今年度、2.5~4.5%の既存事業売上高成長率を見込んでいます(修正前2.0~4.0%)。接着技術事業部門の既存事業売上高は2.0~4.0%(変更なし)、コンシューマーブランド事業部門の既存事業売上高は3.0~5.0%(修正前2.0~4.0%)の範囲で成長すると見込んでいます。

グループ全体の調整後売上高営業利益率(EBITマージン)は、13.0~14.0%(修正前12.0~13.5%)の範囲で増加すると予想されています。接着技術事業部門では、調整後売上高営業利益率が16.0~17.0%(修正前15.0~16.5%)、コンシューマーブランド事業部門では、同利益率が12.0~13.0%(修正前11.0~12.5%)の範囲で増加すると予想されています。

調整後の優先株(一株)あたり利益(EPS)は、為替変動の影響を除外して、15~25%増(修正前5~20%増)の範囲で推移すると予測されています。

さらにヘンケルは、以下の見通しも更新しました。

  • 買収・売却:名目売上高成長率への影響なし
    (修正前:マイナス1桁台前半の影響)
  • 為替の影響:マイナス1桁台前半~半ばの影響
    (修正前:マイナス1桁台半ばの影響)

以下の見通しについては変更がありません。:

  • 直接原材料価格は横ばいで推移1
  • リストラ費用は250~300百万ユーロ
  • 有形固定資産および無形資産への投資によるキャッシュアウトフローは650~750百万ユーロ

 

前年度平均との比較.

 

※2024年5月8日にドイツ・ヘンケル本社が発表した業績レポートの日本語訳版です。本業績レポートは英語が原本であり、その内容・解釈については英文原本が優先します。

将来予測に関する記述

本情報には、Henkel AG & Co. KGaA.の経営陣による現在の予測および仮定に基づく将来の見通しが含まれています。将来予測に関する記述とは、英文中expect, intend, plan, anticipate, believe, estimateなどの語句や同様の表現の使用を指しています。この情報に含まれる将来予測は、弊社経営陣による現時点での予測と予想に基づくものです。これらの記述は、その予測が結果的に正しくなることを保証するものではありません。Henkel AG & Co. KGaA.とその関連会社が実際に達成する将来の業績と結果は、多くのリスクと不確実性に左右されるため、将来予測に関する記述とは大きく異なる可能性があります。こうした要因の多くは、経済状況や競合の活動、その他市場要因など、弊社のコントロールを超えるものや事前に正確に予測することができないものです。ヘンケルは、これら将来予測をアップデートする意向はなく、またそれに関するいかなる義務を負うものでもありませんので、ご了承ください。 

本資料には、適用される財務報告枠組みの中で明確に定義されておらず、代替的業績指標(非GAAP指標)であるかまたはその可能性のある補足的な財務指標が含まれています。これらの補足的な財務指標は、単独で解釈すべきではなく、また連結決算報告書に適用される財務報告枠組みに従って表示されたヘンケルの純資産、財務状況または経営成績の代替的な指標と見なすべきではありません。類似の名称の代替的業績指標を報告または記載している他の企業は、かかる指標を、ヘンケルとは異なる方法で計算している可能性があります。

本資料は情報提供のみを目的としており、投資助言を提供するものではなく、有価証券の売却の申し出または購入の勧誘を構成するものではありません。