接着剤は20万年以上にわたって物と物を付着させてきましたが、現代の接着剤はそれ以上の役割を果たします。先駆者たちは、過去100年の間に、そうした技術に革命をもたらしました。1923年、ヘンケルはジャガイモ粉をベースにした接着剤の販売を開始しました。1950年代までには、ヘンケルの研究者たちは、驚くほどさまざまな用途に向けて約1,000種類の特殊接着剤のポートフォリオを作成していました。
1922年、ヘンケルは自社製品のパッケージに必要な接着剤が不足していたことから、接着剤の生産を開始しました。1年後には、「Mala(マラ)」と「Tapa(タパ)」のブランドからジャガイモベースの接着剤の販売を開始しました。
そのポートフォリオは、1960年代の日常生活の変容を加速させました。都市化と冷蔵の普及により、便利な包装食品の市場が拡大しました。1960年、パッケージ用のTechnomelt(テクノメルト)接着剤によって、食品の鮮度と安全性をより長く保つことが可能になりました。またTechnomelt Cool(テクノメルトクール)接着剤は、一般的なパッケージ用接着剤よりもはるかに低い温度で硬化するため、エネルギーの節約と排出物の削減にもなります。
接着剤が導く
80年代から90年代にかけて環境問題や社会的課題への意識が高まりました。そして接着剤は、そこに対するソリューションを提供したのです。例えば1988年には、「Loctite Purbond」(ロックタイトパーボンド)が発売され、建設業界において、コンクリートの代わりに木材を使用することが可能となりました。ヘンケルは、薬物として悪用される危険があるトルエンを接着剤から除去するうえで先駆的な役割を果たしました。また、有名なスティックのり「Pritt」(プリット)は、油分ベースの成分から、ジャガイモのでんぷんベースの処方に変わりました。