ヘンケルが展開する2つの事業部門「アドヒーシブ テクノロジーズ(接着技術)」「ヘンケル コンシューマーブランドは。
ジャパンビューティー イノベーションハブ
シュワルツコフと資生堂プロフェッショナルが長年培ってきたヘアカラーのイノベーションとトレンド、プレミアムヘアとスカルプケア、育毛ケア、スタイリング、パーマソリューションなどの専門知識を活かし、アジアにおけるヘアプロフェッショナル事業の拠点となることを目指します。
接着の物語の始まりは、はるか昔にさかのぼります。最初の接着剤は、20万年前に初期人類がカバノキの樹液から作ったものだとされています。そして人類は代々、新たな接着剤の試作と改良を行い、その中には植物や鉱物を原料としたものや、動物や魚の骨から作った粘着性物質などもありました。
現在、接着剤の役割は単に物同士を付着させるだけではありません。食品の鮮度を保ち、携帯電話を低温に保ちます。車の軽量化を可能にし、サステナブルな超高層ビルを実現します。そして、創造的な技術のアイデアを具現化します。
最新の接着剤は、資源の節約、排ガスの削減、リサイクルの促進、人々の安全確保のための道を開きます。接着剤には単に長い歴史があるだけではない、というのはこれが理由です。接着剤は、より良い未来を築くための重要な役割も担っているのです。
「私たちはさまざまな業界のパートナーとともにイノベーションを起こし、気候変動、資源不足、人々の健康維持の必要性など、世界最大の課題に対するソリューションを生み出しています」
ヘンケル サステナビリティ接着技術統括責任者 ウッラ・フッペ
接着剤は20万年以上にわたって物と物を付着させてきましたが、現代の接着剤はそれ以上の役割を果たします。先駆者たちは、過去100年の間に、そうした技術に革命をもたらしました。1923年、ヘンケルはジャガイモ粉をベースにした接着剤の販売を開始しました。1950年代までには、ヘンケルの研究者たちは、驚くほどさまざまな用途に向けて約1,000種類の特殊接着剤のポートフォリオを作成していました。
そのポートフォリオは、1960年代の日常生活の変容を加速させました。都市化と冷蔵の普及により、便利な包装食品の市場が拡大しました。1960年、パッケージ用のTechnomelt(テクノメルト)接着剤によって、食品の鮮度と安全性をより長く保つことが可能になりました。またTechnomelt Cool(テクノメルトクール)接着剤は、一般的なパッケージ用接着剤よりもはるかに低い温度で硬化するため、エネルギーの節約と排出物の削減にもなります。
80年代から90年代にかけて環境問題や社会的課題への意識が高まりました。そして接着剤は、そこに対するソリューションを提供したのです。例えば1988年には、「Loctite Purbond」(ロックタイトパーボンド)が発売され、建設業界において、コンクリートの代わりに木材を使用することが可能となりました。ヘンケルは、薬物として悪用される危険があるトルエンを接着剤から除去するうえで先駆的な役割を果たしました。また、有名なスティックのり「Pritt」(プリット)は、油分ベースの成分から、ジャガイモのでんぷんベースの処方に変わりました。
2000年代に入ってデジタル化が進むと、接着剤科学者たちはコンピュータやスマートガジェットのための革新的な技術をいち早く開発しました。例えば、部品やバッテリーから熱を逃がす特殊な接着剤。これによりデバイスを低温に保つことができ、ユーザーの安全が確保されます。こうした接着剤はまた、自動車メーカーがより効率的かつ持続可能な形で高性能電気自動車を開発・生産することも可能にしています。
過去を形づくってきた接着剤。今は、未来を形づくっています。接着剤や機能性コーティング剤の使用の増加が、排気ガスの少ない軽量自動車への移行を支えています。また、化石原料の代わりに植物を使用したバイオベースの接着剤は、産業界全体のサステナビリティを後押ししています。人類の歴史を通して、接着剤は重要な社会的課題と環境問題の解決に貢献してきました。そしてこの物語の次の章は、これまでで最も重要なものになるかもしれません。
接着技術の歩み
ヘンケル 接着剤の自社生産開始
ヘンケルは、自社製品の包装に必要な接着剤が不足していたことから、接着剤の生産を開始しました。1年後には、Mala(マラ)とTapa(タパ)のブランドからジャガイモベースの接着剤の販売を開始しました。
接着剤の進歩
「Mala Henkel-Leim kaltwasserlslich」冷水に溶ける接着剤が発売されました。この処方では、水を加熱する必要がないため、エネルギー消費量と関連する排出物が削減されました。
世界初のスティックのり
有名なPritt(プリット)スティックのりが初めて発売されました。パッケージはリップスティックの構造にヒントを得ており、のりは無溶剤型です。
食品パッケージにおけるサステナブルな革命
ヘンケルは、食品パッケージの無溶剤ポリウレタン接着剤の第1世代であるLiofol(ライオフォール)UK 7500を発売しました。
最新のハイテク木材建築への道を開拓
Loctite Purbond(ロックタイトパーボンド)接着剤を用いることで、建設業者は木製の資材を使用できるようになりました。これらの再生可能な資材は、製造時に大量の排出物を発生させるコンクリートの代用品となります。
Prittスティックのりの進化
Prittスティックのりが、油分ベースの成分からジャガイモのでんぷんをベースにした処方に切り替わりました。2021年の最新のPrittスティックのりは97%バイオベースの原料で構成され、容器は最大65%のポストインダストリー(産業系より排出される材料)の再生プラスチック製です。
トルエン不使用の接着剤
ヘンケルは、薬物として悪用される可能性のあるトルエン不使用の接着剤生産の先駆者としての功績を認められ、チリ政府からナショナルヘルス賞を授与されました。
液量コントロールが可能な注入タイプ導入により廃棄物を削減
多用途接着剤のLoctite Control(ロックタイトコントロール)の容器を改良し、注入タイプを導入しました。容器の側面にある吐出ボタンによって、接着剤の吐出液量が調整でき、より使いやすくなりました。廃棄物の削減にもつながりました。
剥がせる製品ラベル
ヘンケルは、PET樹脂容器のラベルを剥がしやすくするTechnomelt(テクノメルト)EM 325-21を発売しました。パッケージから接着剤の98%以上が取り除かれるため、リサイクル可能な原料の再利用率と品質が向上しました。
バイオマテリアル賞を受賞
89%天然プラスチックで作られたECOmfort修正ローラーが、ハノーバーメッセ2010で「バイオマテリアル賞」を受賞しました。
自動車の軽量化
ヘンケルが開発したポリウレタン樹脂を使用することで繊維強化コンポジットのリーフスプリングが誕生しました。 これにより車両の軽量化が実現し「ラインイノベーション賞」を受賞しました。
Eモビリティにおける熱マネジメント
ヘンケルは、電気自動車用バッテリーの量産時のコスト効率化およびバッテリーを保護しその製品寿命の向上を可能にする新技術を発表しました。 ギャップフィラーおよび接着剤をはじめとするヘンケルのサーマルインターフェースマテリアル(TIM)は、バッテリーセルとモジュールの安全かつ効率的な熱マネジメントを実現しました。
使い捨て製品のリサイクル性の向上
EPIX製品テクノロジープラットフォームをヨーロッパ市場に導入しました。クッション封筒や紙コップ、食品用トレイなどのプラスチック製品や使い捨て容器に代わる、食品関連およびその他の実用的な紙製品を消費者に提供しています。
再生可能な植物原料
ヘンケルは、電子機器組立用の、世界初となるバイオベース・ポリウレタン・ホットメルト接着剤を開発しました。Loctiteブランドの新製品※は、60%が再生可能な植物由来の原料で製造されています。(※2021年8月時点日本未発売)